「田舎には何もない」なんて言わせない。
果樹園から世界へ挑む、
若き醸造家の挑戦。
NAKANO CIDER WORKS 代表 / 佐藤 健太
「
昔はこの街が嫌いだったんです。閉鎖的で、何もなくて」。
そう苦笑するのは、中野市で祖父の代から続く果樹園を受け継ぎ、新たにシードル醸造所『NAKANO CIDER WORKS』を立ち上げた佐藤健太さん(34)。
一度は東京へ出た彼が、なぜ今、故郷で泥にまみれる道を選んだのか。その背景には、地域の農業が抱える「構造的な限界」への危機感と、それを打破しようとするクリエイティブな挑戦があった。
農家であり、経営者であり、編集者でもある。新しい「百姓」のカタチがいま、ここにある。
「腐るリンゴ」を見て育った少年時代
ーー シードルとカフェ、とても洗練された空間ですね。昔から家業を継ぐつもりだったんですか?
いえ、全く(笑)。むしろ高校生の頃は「早くここから出たい」とばかり考えていました。
うちは典型的なリンゴ農家なんですが、子供の頃の記憶といえば、収穫時期の殺人的な忙しさと、規格外で市場に出せないリンゴが山のように積まれ、廃棄されていく光景でした。
味は最高に美味しいんですよ。でも、台風で少し枝が当たって傷がついただけで、それは「ゴミ」になる。「こんなに一生懸命作っても、自然相手の一撃で価値がゼロになるのか」と、子供心に農業というビジネスの脆さに絶望していたんです。
だから、大学進学を機に上京して、IT企業に就職しました。空調の効いたオフィスで、スマートにデータを動かす仕事がしたかった。もう二度と土には触らないつもりでした。
「僕らが捨てていたのはゴミじゃなくて、
未発見の『可能性』だったんです」
東京の友人が教えてくれた「魔法」への気づき
父との衝突、そしてシードルへの活路
手探りで始めた醸造。失敗の連続だった。
ーー Uターンしてからは順調でしたか?
地獄でしたね(笑)。 「ITを使って効率化だ!」なんて意気込んで帰ってきたものの、自然相手には通用しない。父とも毎日のように喧嘩しました。「机上の空論だ」「土を知らない奴が偉そうに」って。
転機は、やはりあの「廃棄リンゴ」でした。傷があっても加工すれば価値は残る。そこで出会ったのが、当時アメリカ西海岸でブームになっていた「ハードサイダー(シードル)」でした。
中野市のリンゴは、昼夜の寒暖差のおかげで酸味と甘みのバランスが抜群に良い。これをお酒にすれば、食事にも合うし、若者も呼べる。何より、廃棄をゼロにできる。
父を説得するために、小さなタンク一つから、たった一人で独学の醸造を始めました。3年目にできたシードルを父が飲んで、「…悪くないな」と呟いた時、やっと認められた気がしました。
この街を「挑戦者のフィールド」に
ーー 今後の展望は?
今はシードルだけでなく、畑の中にカフェを作って、人が集まる場所を提供しています。
僕がやりたいのは、単なる農業ではなく「農村の編集」なんです。
「田舎には何もない」なんて嘘です。素材は最高なんです。足りないのは、それを現代に合わせて翻訳する「編集力」と「デザイン」。
僕のようなUターン組や、地元の若者が、「中野市なら面白いことができるぞ」と思ってくれるような、挑戦の土壌を作りたいですね。
SCRAMBLE ALLIANCE
Partnership Matching Sheet
「中野市を、世界中のシードル好きが巡礼する聖地にしたい。
そして、農業が『カッコよくて稼げる仕事』であることを証明する。」
WE CAN
提供できるリソース- ✔ 加工用リンゴの提供 傷ありですが味は正規と変わりません。飲食店様のお菓子や料理用に、市場価格より安価で提供可能です。
- ✔ 6次産業化のノウハウ共有 加工所設立の許認可取得や、補助金の申請経験をシェアできます。
- ✔ カフェスペースの貸出 定休日(火・水)は、地域のイベントやワークショップ会場として使ってください。電源・Wi-Fi完備です。
WE WANT
求むパートナー- ● ラベル・Webデザイナー 新商品のシードルラベルをデザインできる方。大手代理店ではなく、個人のクリエイターと長く付き合いたいです。
- ● 収穫期の短期スタッフ 10月〜11月、週末だけでも手伝ってくれる方。現物支給(リンゴ・シードル)+バイト代出せます。副業歓迎。
- ● 冬場の剪定作業員 力仕事が得意な方。冬場に手が空く建設業の方など、企業間アライアンスができれば嬉しいです。
この事業者に興味を持った方は、事務局までご連絡ください。
事務局経由でお繋ぎします
NEXT SCRAMBLER
(有)北信印刷 / 鈴木 一郎 さん
「活版印刷の技術を持つ変人(笑)。地域おこしのキーマンです!」
